ありふれた日常こそ、尊い。


そして休日が終わり、また一週間が始まる。

いつものように会社に出勤し、販促課の事務所に入ろうとすると「杠葉さん!」と声を掛けられた。

声がした方をふと見ると、そこには営業部で同期の佐野くんがこちらに向かって歩いて来ているところだった。

「おはよ!」
「おはよう。」
「急に呼び止めてごめんね!」
「ううん、どうかした?」
「あ、いやぁ、、、ちょっと話したいことがあって、、、」

佐野くんの"ちょっと話したいこと"に、まさか、、、と思うわたし。

「ここだと、ちょっと話せないから、、、場所移さない?」

佐野くんはそう言って、給湯室の方を親指で指した。

その時、、、

「おはよ!」

そう声を掛けてきたのは、凪だった。

「お、おう。天海、おはよ。」

タイミング悪いなぁ、、、とでも言い出そうな表情を微かに浮かべる佐野くん。

凪は佐野くんとわたしを交互に見ながら、「何話してたの?」と言った。

「え?あぁ、、、ちょっとな。」

佐野くんがそう答えると、凪はわたしの肩にポンッと手を置き「あ、もし美月に告るつもりなんだったら、やめてくれな?俺の彼女だから!」と言った。

「「えっ?!」」

声を揃えて驚く佐野くんとわたし。

すると凪は、「何で美月が驚くんだよ。」と言った。

いや、まぁ、確かに、、、
でもまさか、凪からわたしを"彼女"だなんて公言すると思わなくて、正直驚いてしまったのだ。

それから瞬く間に「天海と杠葉が付き合ってる」と社内に広まり、女性社員からわたしへの視線が一気に変わった。

まぁ、わたしはどう見られてもいい。
わたしはみんなと仲良くしに来てるわけではなく、仕事をしに来てるんだから。

一方、凪の方は「どうやって杠葉さんを落としたんだよ!」と質問攻めにあっているようだった。