「ねぇ、凪。」
「ん?」
わたしは運転中の凪の方を向くと「わたしたち、本当に付き合わない?」と言った。
すると、わたしの言葉に驚き慌てた凪は「ちょ!ちょちょちょっと待った!」と言い、すぐ近くに見えたコンビニの駐車場に入り、車を停めた。
「はぁ、、、ビックリしたぁ。美月、、、急にどうしたんだよ。」
凪は戸惑いながら、そう言った。
「だって、、、お母さんに"また遊びに来ます"って言っちゃったし、、、」
「それは気にしなくていいよ。俺が何とか誤魔化すから。」
「ダメだよ!だって、そしたら、、、凪が嘘つきになっちゃうじゃない!お母さんは、凪を信じてるんだよ?」
「でも、、、これ以上、美月に迷惑かけられないよ。」
凪はそう言うと、困ったように俯いた。
「わたし、迷惑だなんて思わない。むしろ、凪のお母さんに安心してもらえる手伝いを続けさせて欲しい!わたし、嬉しかったんだぁ、、、凪のお母さんが"味方"だって言ってくれて。わたしには、家族が居ないから、、、お母さんが出来たみたいで、嬉しかった、、、」
わたしがそう言うと、凪はゆっくりとこちらを向き、「美月に両親が居なかったなんて知らなかった、、、。何か、ごめんな。」と申し訳なさそうに言った。
「何で謝るの?わたしは嬉しかったんだよ?わたし、あんなに素敵な凪のお母さんに嘘つけないよ、、、。だから!」
と、わたしが言うと、凪は「ちょっと待って。」と言い、それから「美月、、、本当にありがとう。お前、どこまで良い奴なんだよ。」と呟くように言った。
そして、「男として、俺から言わせて欲しい。美月、いつまでになるか分からないけど、、、母さんが居てくれる間だけでいいから、俺と付き合ってください。」と凪は言い、その言葉に対してわたしは「はい、もちろん!」と返事をしたのだった。



