焔は、はしゃぎながら周りを見回した。
はしゃぎにはしゃぎまくっていると、誰かとぶつかった。
「あだっ!」
焔は、地面に勢い良く尻もちをつく。
「あっ、ごめん!大丈夫?」
少年が、手を差し伸べた。
「だ、大丈夫です…」
少年の手を取り、立ち上がった。
少年は、パステルブラウンの癖毛に、黄色の瞳のきりっとした顔立ちの子だった。
「ん?」
その少年に、見覚えがあった。
「…え!?アリト!!??」
「え?あ、そうだけど…」
(えええ!?あの『魔法学園物語』のアリトぉ!?マジ!?本物!?)
アリトは不思議そうに首を傾げた。
「君、知らない顔だね。名前はなんていうの?」
「わ、私?えーと…ほ、ホムラ・ハークラタス…。」
(何で私、『魔法学園物語』の時の名前を言っちゃうんだよぉ!!??)
心の中で叫びまくった。
「ホムラ…!いい名前だね。」
アリトがニコッと笑って言った。
焔は深呼吸して
(尊ッ!この世界に来てよかったぁぁぁ!!!)
アリトに見えないように、小さくガッツポーズをした。

