「魔王たるお方に、なんたる無礼をっ!メルギア様、ここはお任しください。」
手下が小刀を鞘から抜き出し、少女に襲い掛かった。
だが次の瞬間、手下は消えていた。カラン、カラン、と手下が持っていた小刀が、少女の足元に落ちている。
(なるほど、これが妙な術か。)
「我に無礼を行うとは、命知らずな者よのぉ。死んで、後悔するがよい!」
メルギアは、手を少女に向けた。
「『闇の箱』!!」
すると、少女の足元から黒いもやが現れて、少女を包んだ。
「『闇の箱』は、どんな攻撃でも壊れなく、徐々に中の空気がなくなり、窒息死する!終わりだ。」
メルギアは勝ち誇ったように笑って言った。
「『壁抜け』」
何故か少女は、幽霊のように『闇の箱』から抜け出していた。
「…は?」
よくわからない状況にメルギアは、変な声しか出せず、固まっていた。
少女はため息をついた。
「あーあ、これだけは使いたくなかったなぁ、めっちゃ疲れると思うから。」
そういうと、少女は床に手をついた。
「『消滅』」
すると、少女の手元から光が出てきた。そして、あたり一面に光が広がった。
「くっ!」
メルギアは光が眩しく、思わず目を閉じた。

