「うーわっ、寒っ!」
もう、冬になり始めて、どっと冷え込んできた。息をはいたら、白くてなるほどだ。
「……今年は雪、降るかな?」
そんなことをつぶやきながら、横断歩道を渡ろうとした。
その時だった。
―プップー!!
「え?」
音のする方へ振り向くと、トラックがこちらへ迫ってきていた。
トラックが目の前へ来た時、頭の中で走馬灯が流れた。
ゲームでバグった時、ゲームをクリアした時、ゲームのことを友達に熱弁したら引かれた時…
(いやいや、私の思い出、ゲームしかないのかよぉ!?)
―ドンッ!
気がつけばトラックと私はぶつかっていた。
全身に鈍い痛みが走る。
勢い良く飛ばされて、ドサッと倒れた。周りが血だらけだ。全身が痛い。頭がくらくらとして、視界が狭い。
「あ、れ……?」
白い雪が、ちらほら降り始めた。
「な、ん…で…?」
騒がしい人々の声が遠くなって、意識を失った―

