ゲームでバグりやすい私は、転生してもバグ(の神様)に好かれる




「メルギア様ぁー!!」



焦って様子で、手下が駆け込んできた。



「何事だ?」



そこには豪華な椅子に、頬杖をして足を組んでいる男が言った。魔王ことメルギアだ。



紫に黒を混ぜたような髪に、血のような真っ赤な瞳の、キリッと整った顔だちだ。



「む、村に侵攻した軍たちが、壊滅しました!!」



「ふん、たまたま勇者がいたか。」



「いえ、それが…」



急に手下は黙った。



「なんだ、答えてみろ。」



「それが、小娘一人で…」



メルギアの頭の上に「・・・・」が浮かんで見えた。



「はぁ!?王国だって、軍隊を編制しなきゃならないぐらいの軍だぞ!?」



「小娘は妙な魔法を使っているとのことで…」



メルギアは深呼吸をして



「ま、まぁ?たかが小娘一人。こちらには、流石に来ないだろ…」



突然、ドーン!という音と共に、扉がメルギアの顔のすぐ横にぶっ飛んだ。



メルギアはボロボロになった、扉だったものを見て固まった。



扉があった場所を見ると砂埃がまっていた。中に人影が見えた。



「魔王の部屋ってここかな…?」



砂埃の中には、年端もいっていないような少女がいた。



そしてメルギアは、その少女の炎のような瞳と目が合った。



「あ、魔王いた。」