奥へ進んでいると、大きな水晶が見えた。太陽の光はないはずだが、何故か光輝いていた。
地面が水晶の反射した光できらきらとしていて、綺麗だった。
水晶に触れてみると、ひんやりとして気持ちよかった。
―パキッ!
「え?」
突然、水晶にひびが入った。
―パキッ パキパキッ!
どんどん全体に、ひびが入っていく。
「え、私、やっちゃった…?」
―パリーンッ!
水晶が割れた。破片となった水晶がきらきらと空中に舞った。中から人が出てきた。
出てきた人は、星のように輝く長い銀髪に、長い白色のまつ毛、整った顔の青年だった。
「綺麗な人…」
そうつぶやいてしまうほど、美しかった。
「…んっ」
男の人が、目を覚ました。透き通った青色の瞳だ。
うっとりと見とれてしまった私と、目が合った。
男の人は大きく目を開いて、私に近づき抱きついた。
「え!?ちょっ…いきなり何ですか!?」
「あ!ご、ごめんなさい…」
男の人は、すぐさま離れた。
「私を助けてくれたのは、あなたですか?」
「まぁ、はい。そうです…。」
(実際は、触っていきなり割れただけど…)
「そうですか!助けていただき、ありがとうございます!」

