春。
暖かい風が吹く。
「やっと春だな〜」
翔が大きく伸びをする。
「今年寒すぎたって」
莉子も隣で文句を言っていた。
俺たちは、並んで歩いていた。
見上げると、桜が咲いている。
満開だった。
「雪、見たかっただろうな」
気づけば、自然と口にしていた。
その瞬間、莉子と翔が少し驚いた顔をする。
でも、すぐに二人は笑った。
「絶対はしゃいでたよね」
思わず、少し笑ってしまう。
もう、雪の話をしても、
前みたいに空気が止まることはなかった。
悲しくないわけじゃない。
今でも会いたい。
声を聞きたい。
でも、雪がいた時間は、
ちゃんと俺たちの中に残っている。
ふと、空を見上げる。
どこまでも、青かった。
雪がずっと描いていた空。
小さい頃、雪は白雪姫が大好きだった。
王子様が迎えに来るって、ずっと信じていた。
でも、現実は童話みたいにはいかなかった。
王子のキスで、
雪が目を覚ますことはなかった。
それでも。
あの日、イルミネーションの中で笑っていた雪は、
本当に、白雪姫みたいに綺麗だった。
そして俺は、そんな雪の王子様でいたいと、
心から思ったんだ。
「蓮〜置いてくぞ〜!」
翔の声が聞こえる。
「早くしなさいよ〜!」
莉子も手を振っていた。
「ああ、今行く」
前を向く。
春風が吹いた。
空へ舞い上がる桜の花びらは、
とても綺麗っだった
ーFin.
暖かい風が吹く。
「やっと春だな〜」
翔が大きく伸びをする。
「今年寒すぎたって」
莉子も隣で文句を言っていた。
俺たちは、並んで歩いていた。
見上げると、桜が咲いている。
満開だった。
「雪、見たかっただろうな」
気づけば、自然と口にしていた。
その瞬間、莉子と翔が少し驚いた顔をする。
でも、すぐに二人は笑った。
「絶対はしゃいでたよね」
思わず、少し笑ってしまう。
もう、雪の話をしても、
前みたいに空気が止まることはなかった。
悲しくないわけじゃない。
今でも会いたい。
声を聞きたい。
でも、雪がいた時間は、
ちゃんと俺たちの中に残っている。
ふと、空を見上げる。
どこまでも、青かった。
雪がずっと描いていた空。
小さい頃、雪は白雪姫が大好きだった。
王子様が迎えに来るって、ずっと信じていた。
でも、現実は童話みたいにはいかなかった。
王子のキスで、
雪が目を覚ますことはなかった。
それでも。
あの日、イルミネーションの中で笑っていた雪は、
本当に、白雪姫みたいに綺麗だった。
そして俺は、そんな雪の王子様でいたいと、
心から思ったんだ。
「蓮〜置いてくぞ〜!」
翔の声が聞こえる。
「早くしなさいよ〜!」
莉子も手を振っていた。
「ああ、今行く」
前を向く。
春風が吹いた。
空へ舞い上がる桜の花びらは、
とても綺麗っだった
ーFin.
