白雪姫の王子様

――その時だった。

「お母さん」

翔が胸を張る。

「蓮は正真正銘の王子です。俺が保証します」

一瞬で、重い空気が吹き飛んだ。

「は?」

「じゃあ、白雪姫と王子が二人なら」

莉子も便乗する。

「私と翔は小人かな?あと、蓮のお兄さんと雪のお母さんも」

何言ってんだ、こいつら。

でも――

「そうね」

雪のお母さんが笑う。

「私たちは小人ね」

「四人しかいないけどな」

兄貴までノリ始めた。

カオスだ。

ふと、雪を見る。

雪は、目を輝かせながら笑っていた。

その顔を見た瞬間、胸の奥が少しだけ温かくなった。

……よく分からないけど。

雪が喜ぶなら。

出来損ないでも、王子になってみるか。