白雪姫の王子様

震える手で、“やりたいことリスト”を開く。

全部白紙だった。

何度もページをめくる。

でも、何も書かれていない。

そこで、気づいてしまった。

雪は、俺に嘘をついていたんだ。

“やりたいこ“なんてなにもなかったのか?

一緒にアイスを食べたこと。

一緒に絵を描いたこと。

一緒に散歩したこと。

あれはなんだったんだ……

俺は、それを叶えるために、必死になっていたのに。

そんなことを思いながら、最後のページをめくる。

そこには、雪の字で短い文が書いてあった。

『蓮くんごめんなさい。

私には、“やりたいこと“は思いつかなかったの。

それでも、私は、その時に蓮くんと一緒にやりたい、
と思ったことを言うようにしてたんだ。

がっかりさせたら、ごめんね』

謝るなよ。

ノートなんかに書かなくたって、
雪は“やりたいこと“たくさん持ってたじゃないか。

俺はそう思い、少しだけ呆れてしまった。

雪は気にしすぎなんだ。

優しすぎるんだ。

きっと、雪は思いつかなかったんじゃない。

みんなに迷惑かけたくない、という雪の優しさから、
なにも書けなかったんだ。