白雪姫の王子様

頭の中を整理するために、とりあえず、
これはどういう状況なのか聞くことにした。

話をまとめると、
最初は雪のお母さんと兄貴が病室にいたらしい。

そこへ、すごい勢いで突撃してきたのが、
莉子と翔。

そしてなぜか二人は、
そのまま自然に会話へ溶け込み、
みんなで雪から話を聞き出したらしい。

……意味が分からない。

雪のお母さんがいるのは分かる。

でも、なんで兄貴までいるんだ。

そんな俺の視線に気づいたのか、兄貴が苦笑する。

「今日から、雪ちゃんの担当医になったんだよ」

その言葉で、なんとなく理解した。

兄貴は、この場にいる全員の気持ちを分かっている。

医者としても、人としても。

……たぶん、兄貴が一番適任なんだろう。

それにしても。

さっきから、雪のお母さんと莉子と翔が、
楽しそうに話している。

俺の苦労は何だったんだ。

莉子と翔のことだ。

こういう空気に入り込むのは得意なんだろう。

少しだけ、羨ましく思った。

ふと雪を見る。

まだ、顔を両手で覆ったままだ。

俺は雪へ近づく。

そして、そっと頭に手を置いた。

すると雪が勢いよく顔を上げる。

今にも泣きそうな顔。

「私……全部……」

声が震えている。

「ごめんなさい……」

きっと、恥ずかしさと、
話してしまった罪悪感でいっぱいなんだろう。

「大丈夫」

そう言って、優しく頭を撫でる。

「気にするな」

「蓮くん……」

雪は、まだ少し不安そうに俺を見上げている。

俺は、とりあえず莉子と翔を睨んだ。

二人とも、露骨に目を逸らす。

「お前ら――」

怒鳴ろうとした、その時だった。

「二人は悪くないのよ」

俺の言葉を遮ったのは、雪のお母さんだった。