白雪姫の王子様

学校へ行く。

翔と莉子が、いつものように話しかけてくる。

いつもの教室。

いつもの席。

いつもの騒がしさ。

でも、どこか違った。

「そういえばさ〜」

「昨日マジで寒くて――」

二人は、普段通り話している。

俺も、適当に返す。

でも。

その会話の中で、誰も、雪の名前を口にしなかった。

いや。

違う。

全員、無意識に避けているんだ。

雪の話をした瞬間、全部壊れてしまいそうだから。

翔も。

莉子も。

笑っている。

でも、どこかぎこちない。

無理矢理、笑っているんだろう。

そうしないと、喪失感と罪悪感に、
押し潰されてしまうから。

俺も、きっと同じだった。