白雪姫の王子様


今日もいつもと同じように、病室で目が覚める。

スケッチブックを膝に広げて、
静かに絵の具で色をつけていく。

そして、少しだけ窓から見えた青空を描く。

色を忘れないように……

私は心臓の病気で、もう長いことここにいる。

少し歩くだけで息が苦しくなるこの体は、
時間が経つほど不自由になっていく。

でも絵を描いているときだけは、少しだけ自由になれる気がする。

両親は病室に来てくれるけど、病気の話をあまりしない。

明るく笑って「きっと良くなる」「退院したら何がしたい?」って未来のことばかり話す。

本当は、二人とも私の病気と向き合おうとしない。
 

だから私は、何も言わずに笑う。

心配させたくないし、泣かれるのもつらいから。