白雪姫の王子様

私たちは、長い間見つめ合っていた。

この幸せな時間を、噛み締めるみたいに。

しばらくして、ゆっくりと体を離す。

蓮くんは、少し照れたように、
ベッドの端へ腰掛けた。

「実は……」

蓮くんはぽつりと、話し始める。

私に会いに来なくなった理由。

莉子や翔くんとのこと。

家族のこと。

学校へ行けなくなるほど、苦しくなっていたこと。

全部、ちゃんと話してくれた。

蓮くんは、「俺は逃げてばっかりだ」って言う。

でも、私にはそう思えなかった。

怖くても、苦しくても、
ちゃんと戻ってきてくれたから。

蓮くんは、本当に優しい人なんだ。

気づけば、私は蓮くんの頭をそっと撫でていた。

「……急にどうしたんだよ」

びっくりしたみたいに、蓮くんがこっちを見る。

その顔が、なんだか可愛くて。

思わず、笑ってしまった。

すると蓮くんは、少し恥ずかしそうに顔を逸らす。

そんな反応が嬉しくて、もっと意地悪したくなる。

もう少し近づこうとした、そのとき――


ピコン。


突然、蓮くんのスマホが鳴った。

でも、なぜか蓮くんは画面を見ようとしない。