白雪姫の王子様

俺たちは、どこかで“治る奇跡”を信じていた。

でも――

兄貴の言葉で、分かってしまった。

もう、それは叶わないんだって。

「雪ちゃんの願いを叶えられるのは、お前しかいないだろ」

優しく笑う兄貴。

気づいたら、体が動いていた。

ベッドから飛び起き、階段を駆け下りる。

靴を履いて、

勢いよく外へ飛び出した。

全力で、

雪のもとへ走る。

視界が滲む。

希望と絶望。

その両方が、一気に押し寄せてくる。


それでも――


今度こそ、


雪から逃げない。