「お前、自分が傷つきたくないだけじゃないのか」
図星だった。
「……っ」
言い返せない。
「人を好きになるってさ」
兄貴がぽつりと言う。
「苦しいんだよ。失うのが怖くなる」
「……」
「何かあった時、自分を責めることになるかもしれない」
淡々とした声。
でも、その一つ一つが胸に刺さる。
「だからって」
少しだけ間を置いて、
「相手の気持ちごと切り捨てて逃げるのは違う」
そう言って、兄貴は俺の目を見た。
胸の奥が、痛む。
「お前さ」
兄貴が少し笑う。
「昔から、自分のことになると逃げるよな」
「うるせぇ」
反射的に、そう返していた。
否定できないから……
「でも今回、逃げたら一生後悔するぞ」
その言葉に、心臓が大きく鳴った。
「それに」
兄貴が続ける。
「お前、親父の言いなりになるような奴じゃないだろ」
「……」
「この家で唯一、自由に生きてる」
困ったように笑う兄貴。
「俺はそんなお前が、誇らしいよ」
頭が真っ白になる。
俺はずっと、兄貴みたいになれないって思ってた。
完璧で、親父にも認められて、
全部持ってる人間だって。
でも、
「お前は、失敗作なんかじゃない」
そう言って、兄貴は俺の頭を軽く撫でた。
「やめろよっ」
反射的に手を払う。
でも、昔は、
こうやって褒められるのが好きだった。
兄貴は、ちゃんと俺を見てくれていたんだ。
「雪ちゃん、お前が来なくなってから病状が安定してない」
一気に、不安が押し寄せた。
「雪ちゃんの病気のこと、知ってるんだろ?」
「それは……」
「医者としては、治療に専念するべきだと思う」
兄貴の言葉に、間違いはないと思った。
「ただ……」
「ただ?」
兄貴は少しだけ目を伏せる。
「俺自身は、あの子が好きなように生きるべきだと思う」
その言葉は、重かった。
図星だった。
「……っ」
言い返せない。
「人を好きになるってさ」
兄貴がぽつりと言う。
「苦しいんだよ。失うのが怖くなる」
「……」
「何かあった時、自分を責めることになるかもしれない」
淡々とした声。
でも、その一つ一つが胸に刺さる。
「だからって」
少しだけ間を置いて、
「相手の気持ちごと切り捨てて逃げるのは違う」
そう言って、兄貴は俺の目を見た。
胸の奥が、痛む。
「お前さ」
兄貴が少し笑う。
「昔から、自分のことになると逃げるよな」
「うるせぇ」
反射的に、そう返していた。
否定できないから……
「でも今回、逃げたら一生後悔するぞ」
その言葉に、心臓が大きく鳴った。
「それに」
兄貴が続ける。
「お前、親父の言いなりになるような奴じゃないだろ」
「……」
「この家で唯一、自由に生きてる」
困ったように笑う兄貴。
「俺はそんなお前が、誇らしいよ」
頭が真っ白になる。
俺はずっと、兄貴みたいになれないって思ってた。
完璧で、親父にも認められて、
全部持ってる人間だって。
でも、
「お前は、失敗作なんかじゃない」
そう言って、兄貴は俺の頭を軽く撫でた。
「やめろよっ」
反射的に手を払う。
でも、昔は、
こうやって褒められるのが好きだった。
兄貴は、ちゃんと俺を見てくれていたんだ。
「雪ちゃん、お前が来なくなってから病状が安定してない」
一気に、不安が押し寄せた。
「雪ちゃんの病気のこと、知ってるんだろ?」
「それは……」
「医者としては、治療に専念するべきだと思う」
兄貴の言葉に、間違いはないと思った。
「ただ……」
「ただ?」
兄貴は少しだけ目を伏せる。
「俺自身は、あの子が好きなように生きるべきだと思う」
その言葉は、重かった。

