白雪姫の王子様

兄貴からの連絡を見た瞬間、頭が真っ白になった。

気づけば、俺は教室を飛び出していた。

後ろから、慌てた足音が聞こえる。

振り返ると、莉子と翔だった。

「蓮!雪に何かあったの!?」

莉子が叫ぶ。

「お前らは教室に戻れ!」

怒鳴るように返す。

でも、二人は止まらない。

「雪ちゃんになんかあったのかよ!」

翔の声も、いつもと違っていた。

「戻れるわけないでしょ!」

莉子も必死だった。

しつこく追いかけてくる二人。

……クソっ。

言いたくなかった。

昨日、あんなに楽しかったから。

もし、あれが雪の負担になっていたら。

二人はきっと、自分を責める。

だから、本当は言いたくなかった。

でも――

「雪の体調が急変したって……」

言葉を吐き出した瞬間、胸が苦しくなる。

「そんなの……」

莉子の声が震えていた。

「そんなの、行くしかないじゃん……!」

その顔を見れば分かる。

莉子も、自分を責めている。

昨日、はしゃぎすぎたんじゃないかって。

でも、それは俺も同じだった。

「急ぐぞ」

翔が低い声で言う。

いつもの軽い調子じゃない。

三人とも、最悪の想像をしていた。

俺たちは、必死に病院へ向かって走った。