白雪姫の王子様

俺は、何も言えなかった。

……だって。

俺も同じだったから。

余命があるって分かって、
それを理由に、
いろんなことから逃げた。

結局、雪のことをちゃんと、ちゃんと見てなかった。

「……」

言葉が出ない。

でもーー

このまま黙ってるのは、違う気がした。

「……じゃあさ」

言葉が溢れていた。

「見せてやればいいだろ」

「……え?」

雪が顔を上げる。

「普通に外出て、普通に笑って」

俺の言葉に、雪は目を見開く。

その瞳には、驚きと、少しの希望が映っていた。

「ちゃんと生きてること」

俺自身も、言いながら驚く。

でも、もう、逃げるのはやめる。

「親にも、医者にも全部、納得させればいい」

くそっ。

なんで、こんな不器用な言い方しか出来ねぇんだ。

それでも、自分の本心を、
真っ直ぐに言葉を伝えることができた気がした。