「うん……最近は体調も安定してる」
兄貴の言葉に、
その場にいる全員の視線が集まる。
そして、兄貴は少し笑って言った。
「外出許可、出そう」
一瞬、静かになる。
次の瞬間――
「やったー!」
莉子と翔の声が重なった。
病室が一気に明るくなる。
俺も、嬉しかった。
やっと、雪が望んでいたことを叶えられる。
「よかったな、雪」
そう言って、隣の雪を見る。
でも――
違和感があった。
雪が、少しだけ不安そうな顔をしていたから。
「雪?」
声をかける。
すると雪は、ハッとしたように顔を上げた。
そして、いつもの笑顔を作る。
「楽しみだね!蓮くん!」
明るい声。
……気のせいか?
でも、さっきの表情が、なぜか胸に引っかかった。
そんな俺をよそに、
「じゃーん!」
突然、莉子が二つの箱を取り出した。
「なんだそれ」
翔は興味津々だ。
「これは、雪と蓮に!」
箱を押しつけられる。
……嫌な予感しかしない。
警戒して開けられずにいると、
「うわぁ……!」
隣から、雪の嬉しそうな声が聞こえた。
見ると、雪が真っ赤なマフラーを広げている。
綺麗な赤。
まるで、白い雪の上に落ちた林檎みたいだった。
雪は嬉しそうに触っている。
でも、巻き方が分からないみたいだ。
そんな雪を見て、
莉子が優しく巻き方を教える。
「できた!」
そこには、
マフラーをリボンみたいに巻いた雪がいた。
白い肌。
赤いマフラー。
まるで――
「白雪姫じゃん」
翔が呟く。
雪は恥ずかしそうに、こっちを見た。
「似合うかな……?」
「めっちゃ似合ってる!」
「雪、可愛すぎ!」
俺が答える前に、翔と莉子が騒ぎ始める。
「嬉しい!」
雪の顔がぱっと明るくなる。
「ありがとう、莉子!」
「可愛すぎる〜!」
莉子がそのまま雪へ抱きついた。
「あ、蓮も開けて」
莉子が俺の箱を指差す。
「ああ……」
嫌な予感を抱えながら箱を開ける。
中には、同じ赤いマフラー。
「これって……」
「そう!」
莉子が満面の笑みで言う。
「雪とお揃い!」
予想外すぎて、言葉が止まる。
……お揃い?
これを巻いて、雪と街を歩くのか?
無理だろ。
そんなことを考えていると、耳元で、
「照れてんのか?蓮くん」
翔が囁いてきた。
気持ち悪くて鳥肌が立つ。
「やめろっ!」
即座に距離を取る。
すると、雪が不安そうにこちらを見ていた。
「……っ」
そんな顔されたら、断れるわけないだろ。
ゆっくり、マフラーを首に巻く。
雪と同じ、真っ赤なマフラー。
俺には似合わない気がした。
でも、雪は嬉しそうに笑っている。
……反則だろ。
その後も、
いつ出かけるか、
どこへ行くか、
みんなでたくさん話し合った。
病室には、ずっと笑い声が響いていた。
でも――
俺は、雪が一瞬見せた、あの不安そうな顔が、
なぜか頭から離れなかった。
兄貴の言葉に、
その場にいる全員の視線が集まる。
そして、兄貴は少し笑って言った。
「外出許可、出そう」
一瞬、静かになる。
次の瞬間――
「やったー!」
莉子と翔の声が重なった。
病室が一気に明るくなる。
俺も、嬉しかった。
やっと、雪が望んでいたことを叶えられる。
「よかったな、雪」
そう言って、隣の雪を見る。
でも――
違和感があった。
雪が、少しだけ不安そうな顔をしていたから。
「雪?」
声をかける。
すると雪は、ハッとしたように顔を上げた。
そして、いつもの笑顔を作る。
「楽しみだね!蓮くん!」
明るい声。
……気のせいか?
でも、さっきの表情が、なぜか胸に引っかかった。
そんな俺をよそに、
「じゃーん!」
突然、莉子が二つの箱を取り出した。
「なんだそれ」
翔は興味津々だ。
「これは、雪と蓮に!」
箱を押しつけられる。
……嫌な予感しかしない。
警戒して開けられずにいると、
「うわぁ……!」
隣から、雪の嬉しそうな声が聞こえた。
見ると、雪が真っ赤なマフラーを広げている。
綺麗な赤。
まるで、白い雪の上に落ちた林檎みたいだった。
雪は嬉しそうに触っている。
でも、巻き方が分からないみたいだ。
そんな雪を見て、
莉子が優しく巻き方を教える。
「できた!」
そこには、
マフラーをリボンみたいに巻いた雪がいた。
白い肌。
赤いマフラー。
まるで――
「白雪姫じゃん」
翔が呟く。
雪は恥ずかしそうに、こっちを見た。
「似合うかな……?」
「めっちゃ似合ってる!」
「雪、可愛すぎ!」
俺が答える前に、翔と莉子が騒ぎ始める。
「嬉しい!」
雪の顔がぱっと明るくなる。
「ありがとう、莉子!」
「可愛すぎる〜!」
莉子がそのまま雪へ抱きついた。
「あ、蓮も開けて」
莉子が俺の箱を指差す。
「ああ……」
嫌な予感を抱えながら箱を開ける。
中には、同じ赤いマフラー。
「これって……」
「そう!」
莉子が満面の笑みで言う。
「雪とお揃い!」
予想外すぎて、言葉が止まる。
……お揃い?
これを巻いて、雪と街を歩くのか?
無理だろ。
そんなことを考えていると、耳元で、
「照れてんのか?蓮くん」
翔が囁いてきた。
気持ち悪くて鳥肌が立つ。
「やめろっ!」
即座に距離を取る。
すると、雪が不安そうにこちらを見ていた。
「……っ」
そんな顔されたら、断れるわけないだろ。
ゆっくり、マフラーを首に巻く。
雪と同じ、真っ赤なマフラー。
俺には似合わない気がした。
でも、雪は嬉しそうに笑っている。
……反則だろ。
その後も、
いつ出かけるか、
どこへ行くか、
みんなでたくさん話し合った。
病室には、ずっと笑い声が響いていた。
でも――
俺は、雪が一瞬見せた、あの不安そうな顔が、
なぜか頭から離れなかった。
