白雪姫の王子様

「なんで、よりによって今日なんだよ……」

放課後。

俺は、一人で教室の掃除をしていた。

……掃除当番だ。

しかも、最悪なことに。

「じゃ、お先に〜」

そう言って、翔と莉子は、
絶対ろくでもないことを考えてる顔で、
先に病院へ向かっていった。

嫌な予感しかしない。

あの二人のことだ。

どうせ、俺から聞き出せなかったことを、
雪から聞くつもりなんだろう。

……最悪だ。

しかも、雪は押しに弱い。

莉子に詰められて、翔に茶化されたら、
絶対に全部喋る。

昨日のこととか。

キスとか。

愛してるとか。

「っ……」

思い出しただけで恥ずかしくなる。

それを、あの二人に知られるなんて絶対嫌だ。

阻止しなければ。

俺は急いで掃除を終わらせる。

雑巾を放り投げる勢いで片付けて、
そのまま教室を飛び出した。

全力で病院へ向かって走る。

頼む。

まだ間に合え。

雪、余計なこと喋るなよ……!