白雪姫の王子様

今日も、ぼんやりと空を見ていた。

窓の向こうは、綺麗な青空。

でも、

最近は、空の絵を描く気になれない。

スケッチブックを開いても、
鉛筆を持つ手が止まってしまう。

何もしない日ばかりだった。

それに、最近は体調も良くない。

少し動くだけで苦しくなる。

心臓が、痛いくらい速く鳴る。

検査も増えた。

病院の先生たちの表情も、少しずつ変わってきている。


……自分でも、分かる。

もう、あまり時間が残っていないこと。

 でも、今の私には、何もできなかった。

最近は、お母さんが病室に来る回数も増えた。

『きっと良くなる』
『今は少し体調が悪いだけ』
『治療を続ければ絶対治る』

毎日、そう言う。

でも、それはきっと、私のためじゃない。

お母さん自身に、言い聞かせているんだ。

「……」

胸が、少し痛くなる。

考えないようにしているのに、
やっぱり、みんなのことを思い出してしまう。

莉子は元気かな。

翔くんは、また騒いでるのかな。

そして、蓮くんは、大丈夫なんだろうか。

その名前を思い浮かべるだけで、
胸が締めつけられる。

……忘れなきゃ。

期待しちゃダメ。

会いたいって思うほど、苦しくなるから。

私は、あと何日、生きられるんだろう。