白雪姫の王子様

病院からの帰り道、
さっきの重い空気を引きずりながら、三人で歩く。

誰も、言葉を発しない。

それぞれ、雪のことで思うことがあるのだろう。

沈黙が続く。


しかし、しばらくすると

「ちょっとさ」

と莉子が、沈黙を破った。

「最近、雪に会いに行き過ぎだったよね」

莉子は真面目な顔で、続ける。

「雪、嬉しそうだけどさ、その分、疲れてると思う」

言われて、言葉に詰まる。

「確かに、楽しいって、体力使うからな〜」

翔は空を見上げながら、つぶやいた。

「私たちは、少しだけ、間あけた方がいいと思う」

「……」

否定できなかった。

確かに、雪の体を考えたら、それが正しい。

「じゃあさ」

翔が軽く言う。

「しばらくは俺ら行かないで、蓮だけ顔出すとかでいいんじゃね?」

「……なんで俺だけなんだよ」

「雪ちゃんが待ってるのは、お前なんだよ」


雪が、俺を待ってる……


気づいていなかった。

てっきり、みんなといる方が、
いいのかと思っていたから。

そんなことを考えていると、急に視界に、
翔の顔が入ってくる。

その顔は、俺をからかうように、ニヤニヤしていた。

「なんだよ」

「あれ、蓮くん照れてますん?」

「……うるせぇ」

そんな、くだらないやり取りを続けながらも、
俺たちは雪についても話し合った。

さっきまでの重い空気は、少し薄くなっていた。

でも、その空気が完全に無くならないのは、
まだ、それぞれに罪悪感を抱えているからだ。

三人で話し合う。

そして、

全員で会いに行くのは、控える。

俺が週に二回、少しだけ顔を出す。

そう、決まった。