白雪姫の王子様

病院の前に立つと、なんとも言えない息苦しさに襲われた。

無機質な白い壁、出入りする白衣の人たち、
見慣れたはずなのに、“ここはお前の居場所ではない“
そう言われているようだ。

昔、親父は俺を連れてきては、
「将来、お前は医者としてここで働くんだ」
と言っていた。

小さい頃の俺は、そんな親父の期待に応えようと必死だった。

でも、俺はそんな親父の期待に応えることはできなかった。

そして、俺は何度も兄と“比較”された。

兄貴は、俺と違って優秀で両親にも期待されている存在だから。

「お兄ちゃんみたいにちゃんとしなさい」
「お兄さんは優秀なのに……」

周りからは、そんな言葉ばかり聞こえてきた。

だから、嫌だった。

ここの空気も、人も、匂いも、全部。