白雪姫の王子様

蓮くんの学校が始まって数日。

病室はいつも通り静かだった。

何も変わっていないはずなのに、
少しだけ部屋が広く感じる。

蓮くんがいない。

ベットの上に座って、スケッチブックを手に取る。

ページをめくっていくと、
蓮くんの下手くそな絵が出てきて、
思わず笑ってしまった。

でも、今日も蓮くんの声は聞こえてこない。

ふと窓の外を見る。

今日も空の絵を描こう。

いつもと同じように鉛筆を手に取る。

同じはずなのに、少しだけ、寂しい。

「……ちゃんと行ってるかな」

ぽつりと、独り言がこぼれる。

蓮くんは学校に、サボらず行くって約束してくれた。

きっと、私の分も勉強して来てくれるはず。

「……行ってるよね」

自分で言って、少しだけ笑った。