白雪姫の王子様

翔と莉子と、三人で雪に会いに来るようになって、二週間。

雪は、毎日楽しそうにしている。

笑う回数も増えて、
前より、ずっと表情が柔らかくなった。

……でも。

人が増えた分、
“やりたいことリスト”は、あまり進んでいない。

どうすればいい。

そんなことを考えていると、

「雪ってさ、制服着たことないの?」

莉子の声。

「……うん」

少しだけ考えてから、雪が頷く。

「だから、みんなが羨ましいんだ」

いつもの、やわらかい笑顔。

でも、その言葉に、莉子と翔が、少しだけ黙る。

「……じゃあさ」

莉子が、少しだけ明るい声を出す。

「私の制服、着てみる?」

「え……?」

「身長も体格も近いし、いけると思う」
 
その言葉に、雪の目が、ぱっと輝いた。

「いいの……?」

「もちろん」

莉子が笑う。

その笑顔を見て、
雪も、少しだけ嬉しそうに笑った。

「雪ってさ」

莉子が、ふと思い出したように言う。

「“やりたいことリスト”作ってるんでしょ?」

「……っ」

一瞬で、雪の表情が強張る。