白雪姫の王子様

「なんで……」

雪の声は、少し震えている。

「わかったの?」

声は震えているけれど、それは、
怯えている声ではなかった。

そして、雪は寂しそうな顔をしながら、
話し始めた。

「小さい頃から病院にいるから、外に出たことが、
ほとんどないの」

雪は、続けて言う。

「学校も行ってないから、友だちもいなくって」

そう、雪は冗談っぽく笑った。

でも、その奥にあるものは、隠しきれていなかった。

「だから、一緒にお散歩とかしてくれる人もいなかったんだ」

軽く言っているのに、やけに重く聞こえる。

「それにね」

少しだけ間を置いて、

「家族も、私の病気と……私自身と、ちゃんと向き合ってくれなくて」

と、困ったように笑って言った。

でも、その笑い方は、さっきより悲しそうに見えた。


……なんて言えばいいんだよ。


言葉が見つからない。

励ますのも違う気がするし、
下手なこと言ったら、壊れそうで。

何も言えないまま、立ち尽くす。

「だからね、最近は全然外に出てなかったの」

雪はそう言って、また、明るく笑った。

その“明るさ“が、
さっきよりもずっと、苦しかった。