白雪姫の王子様

“お願いだから、これ以上迷惑かけないで“

そう母に言われて、俺は今ここにいる。

渋々渡されたのは、“夏休みの地域貢献活動“
とかいう紙切れ。

内容は、病院でのボランティア。
場所は、親父の病院。


……本気で、ふざけてんのか。


「蓮、お願い。これくらいしか、あなたにできることないんだから」

母は、悲しそうな顔をして言った。

でも、その目はずっと俺を見てなかった。

「……お願い」って言いながら、
俺が断る余地なんか、最初からなかったんだろ。

そう思いながら、俺は朝食も食わずに家を出た。