白雪姫の王子様

また、気まずい空気。

沈黙が続いて、息が詰まりそうになる。

俺は耐えられ無くなって、口を開いた。

「……さっきの“やりたいことリスト“ってなに?」

雪は驚いたような顔をしたが、
それから少しだけ困ったように笑った。

「私ね……」

急に今までとは違う、弱々しい声。

そして、雪は静かに続きを話し始める。

「小さい頃から体が弱くて、ほとんど病院で過ごしてきたの」

その言葉で、さっきの雪の、質問攻めの理由がわかった気がした。

雪がゆっくりノートを取り出す。

「それで、今もどんどん体は悪くなってて……」

胸の奥が、ざわつく。

なんか、嫌な感じがした。

「3ヶ月持つかどうかって言われちゃったんだよね」

気まずそうに笑う雪。


……は?

3ヶ月?

目の前にいる、こいつが?

3ヶ月で、いなくなってるかもしれないって?


言葉が出なかった。

そんな俺を見かねた雪が、

「だから私ね、やりたいことは全部やってやる!って思って、リストにしてたの」

そう明るく言った。


……なんだよ、それ。

なんでそんなふうに言えるんだよ。


そんなことを考えていたら、
無意識のうちに俺はこう言っていた。

「ひとつずつ、叶えてみる?」

言った後で、自分でも驚いた。