白雪姫の王子様

学校が始まって、2週間が過ぎた。

最初のうちは、クラスメイトも教師も、
真面目に授業を受けている俺を見て、
露骨に驚いていた。

「お前、どうしたの?」

なんて、何度も聞かれた。

幼馴染の翔には、
特にしつこくからかわれたが、

「別に」

それだけで流していた。

雪との約束を守っている、なんて言ったら、
余計バカにされるに決まってる。

あれは、他人に軽く触れられていいものじゃない気がした。

放課後に病院に行こうとしても、
翔と莉子がついてくる。

「どっか行くなら俺も行くし」

なんて、勝手に決められて、結局行けない。

土日は人も多い。

誰かに見られるのも嫌だし、
雪の親と会う可能性もある。

結局、何もできないまま時間だけが過ぎていく。

こんなにも、雪と会わない日が続くのは初めてだ。


もし、この間に雪の病状が悪化していたら……


そんな考えが、ふと頭をよぎる。

すぐに打ち消そうとしても、
なかなか消えてくれない。

「……はぁ」

小さく息を吐く。

なるべく早く、会いに行きたい。

そんな風に思った自分に、少し驚いた。

前なら、こんなこと、考えなかったのに。