白雪姫の王子様

生きる意味なんて、持っていなかった。
いや、最初は持っていたのかも知れない。

でも、いつの間にか無くしてしまった。


俺がこの家の“失敗作“になったのは、いつからだったんだろう。


医者一家の次男。
そんな肩書が勝手についてきただけ。

父は有名な大病院の院長。
兄は将来を約束されたエリート研修医。
今は専業主婦をしている母も、昔は優秀な外科医。

そんなエリート一家に生まれた、俺。


それなのにテストはほとんど赤点、素行が悪く、
教師からの呼び出しも日常茶飯事。

そして高校2年の夏休み前には、
ほとんど学校へ行かなくなっていた。

“出来損ない“そんなラベルの貼られた俺の名前は、
家ではもう、ほとんど呼ばれることすらなかった。

「なんでこうなってしまったの」

それが母の口癖だった。