食べ終わったアイスの棒を、
雪は名残惜しそうに見つめている。
「……もう終わりか」
思わず口に出してしまった。
たったひとつのアイス。
時間にしたら、ほんの数分。
「うん」
雪は微笑みながら、小さく頷いた。
でもその顔は、少し寂しそうに見えた。
「……次、どうすんの」
聞くつもりはなかったのに、勝手に言葉が出た。
雪は、ゆっくりと、隣の窓の外を見る。
その横顔は、“儚い夢を抱く少女“のようだった。
この時、なぜか、雪が考えていることが、
すぐにわかった。
「……外、出たいのか」
俺がそう言った瞬間、
雪は勢いよくこちらを見た。
その瞳は、揺れていた。
驚きと、希望が入り混じった、
そんな瞳だった。
