村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

式神が大きな襖をうやうやしく開けたとき、広間の中が静まり返った。

白無垢姿の葵と、紋付袴の陽神を見て誰もがなにも言えなくなった。

ふたり寄り添って広間へと入っていくと陽神がゆっくりをお辞儀をした。
葵もそれに習って頭を下げる。

「本日はワタシと葵のために集まってくださり、ありがとうございます」
陽神の声は広間の奥まで届く。

ひとつの迷いも汚れもない、澄んだ声色に何人かの村人たちがため息を吐いた。

「この神域に入ってくることができるのはワタシの存在を信じてくれている村の人たちだけです。ワタシという存在はみなさまのおかげで存在していられるのです」

まず最初に村人たちへお礼を述べた陽神だったが、次の瞬間には表情が変わっていた。

「葵は今日からワタシの妻となります。そのため……今までのような扱いをしたものはワタシが許しません」

笑顔で。
だけど目元は鋭くつり上がっている。