村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「女将さん教えてください。このお店の状況はよくないんですか?」

「そうだねぇ……いいとは、言えないかもしれないね。神様にお願いしに行くくらいなんだから」

そう聞いて葵の胸がチクリと痛む。
「どうして? このお店は村のみんなから重宝されているはずなのに」

「さあ、どうしてかねぇ?」
女将さんは葵と目を合わせようとしない。

なにか知っているのに、それを隠しているように見えた。
「女将さんはお店がよくない理由をわかってるんですか? それなら、なにか対処の方法が――!」

葵がそう言いかけたときだった。
突然激しく戸を叩く音が聞こえてきてビクリと体を震わせた。

「こんなときに」
女将さんが慌てて戸口へと向かう。

しかしそこへたどり着く前に「ここのもち米屋にも売女がいるぞ!」と、男の声が聞こえてきたのだ。

葵は唖然として戸口を見つめる。
「売女の友達は売女だ! 汚い金でもち米を作ってるんだ!」