村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

葵に紹介されてふたりがペコンとお辞儀をする。
「まぁまぁまぁ! 子供まで!」

女将さんは葵とふたりを交互に見つめて頬を赤く染める。

よほど会えたことが嬉しかったようで、店へ入れると同時にバタバタとお茶の準備をし始めた。

「女将さんお茶なんていいの。私、話がしたくてここに来たのよ」

葵がそう言っても聞かず、5分後には3人の前に熱いお茶と茶菓子が置かれていた。
これじゃまるでただのお客さんみたいだ。

呆れながらも、葵はその気持が嬉しかった。
「せっかくだし、いただこうか」

さっき陽神が作ってくれた餅を食べたばかりでお腹は空いていなかったけれど、甘いものは別腹だ。

女将さんが出してくれた羊羹に爪楊枝をさして口に運ぶ。
甘味が口いっぱいに広がって、頬が内側から溶けて落ちてしまいそうになる。

「うーん、おいしい!」
春が羊羹を絶賛し、口の周りをベタベタにしながら必死で食べている。