はるまきねこは、春巻きの皮に入っているねこです。
生まれた時にとてもとても小さく、生まれつき全身の毛がなかったので、小さな小さな駅の前の食堂の優しくて丸いおじさんが、春巻きの皮でくるくる巻いてあたたかくしてくれました。
はるまきねこは、その食堂の前で、いつもころころ転がって遊んでいます。
しっとりとしたベージュ色の皮から、麩まんじゅうのような愛らしいまんまるの顔と、
ハートの形を作る長いしっぽを出し、まち中のみんなから愛されています。
「ねこちゃん」
ある日、はるまきねこのところに、悲しい顔をしたおばあさんがやって来ました。
「どうしたの。おばあちゃん」
はるまきねこはしっぽをふんふん振って、おばあさんに聞きました。
「今年の春休みは、孫が、遊びに来てくれないと言うの」
独り暮らしをしているおばあさんは、都会に住む孫達が休みの度に遊びに来るのをとても楽しみにしているのでした。
「おばあちゃん、元気出して」
はるまきねこは、おばあさんの元気が出るように、
うーんうーんところころ転がって考えました。
そして、
おばあさんの寂しい心を、春巻きの皮でくるりと巻いてしまう事にしました。
「くるくるくる」
はるまきねこはおばあさんの寂しい心をくるりと巻いて、食堂のおじさんに頼んで、
春巻きにして貰って3人で食べました。
「あら、寂しいと言うものは、意外と美味しいのね」
「そうだね。だから、みんな寂しさをたくさん抱えてしまうのだね」
「寂しい」の味は、とろける蜂蜜のような甘い味がしました。
そしておばあさんは、お腹がいっぱいになって、夏休みまで可愛い孫達を待つ元気が出て来たのでした。
生まれた時にとてもとても小さく、生まれつき全身の毛がなかったので、小さな小さな駅の前の食堂の優しくて丸いおじさんが、春巻きの皮でくるくる巻いてあたたかくしてくれました。
はるまきねこは、その食堂の前で、いつもころころ転がって遊んでいます。
しっとりとしたベージュ色の皮から、麩まんじゅうのような愛らしいまんまるの顔と、
ハートの形を作る長いしっぽを出し、まち中のみんなから愛されています。
「ねこちゃん」
ある日、はるまきねこのところに、悲しい顔をしたおばあさんがやって来ました。
「どうしたの。おばあちゃん」
はるまきねこはしっぽをふんふん振って、おばあさんに聞きました。
「今年の春休みは、孫が、遊びに来てくれないと言うの」
独り暮らしをしているおばあさんは、都会に住む孫達が休みの度に遊びに来るのをとても楽しみにしているのでした。
「おばあちゃん、元気出して」
はるまきねこは、おばあさんの元気が出るように、
うーんうーんところころ転がって考えました。
そして、
おばあさんの寂しい心を、春巻きの皮でくるりと巻いてしまう事にしました。
「くるくるくる」
はるまきねこはおばあさんの寂しい心をくるりと巻いて、食堂のおじさんに頼んで、
春巻きにして貰って3人で食べました。
「あら、寂しいと言うものは、意外と美味しいのね」
「そうだね。だから、みんな寂しさをたくさん抱えてしまうのだね」
「寂しい」の味は、とろける蜂蜜のような甘い味がしました。
そしておばあさんは、お腹がいっぱいになって、夏休みまで可愛い孫達を待つ元気が出て来たのでした。



