「芽雨さん」
「東郷さん」
考え事しながら1人廊下を歩いていると東郷さんに呼び止められた
「分かりましたよ。例の人物」
「本当ですか!?」
流石東郷さん
「お話致しますのでこちらへ」
誰が聞いているか分からないのでここで話をする訳にもいかない
東郷さんに案内され着いて行くと
「どうぞ」
東郷さんの私室だった
部屋は最小限の物しか無く俺の部屋と似たような雰囲気
「手荒な真似で申し訳ございません」
「東郷さん!?」
急に東郷さんに押さえつけられ
「松前が失敗してどうなるかと思ったけど、あんたが居てくれて良かったよ」
部屋の奥から1人男が現れた
「と……ごうさん?」
「芽雨さんを捕まえました。これより旦那様へ取引を行います」
「任せた。俺はこいつ見張ってるから」
「東郷さん!!なんで……」
嘘……だよね?
「なんでと申されましても、私があなたのお探しするラーク社の人間ですので捉えただけです」
東郷さんが味方じゃないなんて……
そんなのあり得ない……



