俺自身に危害が加えられる訳でも無いので
特に気にも止めて居なかったのだが




「あぁ、クビにした」




旦那様が片っ端からクビにしている





「俺が庇うのも変ですけど、あの人達にも生活があるでしょうし……」

「ああいう人間はいつか何かする。その前にクビにするか、しないかの違いだけだ」






やり過ぎな気はする




お陰で陰口を言われることも減ったが

逆に恨まれそうで…








「……芽雨が気にするならもうしない」

「いえ……雇い主は旦那様ですし、俺に口出しする権限ありませんので」

「東郷と話してから決めることにする」

「それがいいですね」





東郷さんなら冷静に判断してくれそう








話も終わり旦那様の部屋から出て仕事に戻ろうとしたら








「芽雨さ〜ん」

「詩樹さん」




最近入った掃除担当の松前　詩樹（まつまえ　しじゅ）に呼び止められた