「ル・ブランなら納得だけどな」
「どんな会社かご存知なんですか?」
「葉と同業だよ」
「旦那様のお仕事って?」
何をしているか知らない
「……詳しくはいつか葉が話すだろ」
「そう……ですか」
話してくれるだろうか
俺自身が何も話さないのに……
何もかも秘密にしている俺のことなんて信用出来ないだろう
それなのに旦那様は料理毒混入事件の時俺のことを信じてくれた
そんな旦那様を俺も信じたい
この人はあの人達と違うって
俺が信用されなくても俺が旦那様を信じたい
「桜は葉のことが大切なだけだから、突っかかってくるとは思うけど無視で良い」
「……はい」



