「あちゃーエンカウントしてんのかよ」
「凛、芽雨のこと頼む」
「はいはい。ほら行くぞー」
現れた凛さんが俺を連れてこの場を後にした
「あの……」
「会わせるつもり無かったんだけどね」
「すみません」
「いや、思ったより桜が早く動いたからな」
「桜さんってどんな方なんですか?」
「ただのブラコンだよ」
なるほど
素性の知れない俺が大切なお兄さんの傍に居ることが不安なのか
それなら出て行けというのも頷ける
「しっかしまぁ、お前のことが気になるってのは桜と同意見だな」
「え?」
「前にも復讐するとか言ってたし、こっちが調べてもお前の情報何一つ出ないなんておかしいだろ。どんな人間でも多少は探れるっていうのに」
「それは……」
俺にも分からない
俺自身が情報を隠すなんてことは出来ない
誰かが意図的にしているってことだ



