日に日に弱る子供の俺を助けてくれたのが
俺の家で見習いシェフとして働いていた宙兄ちゃん
宙兄ちゃんはこっそり俺に食事を与えてくれて
俺が成長するにつれ料理を教えてくれた
その宙兄ちゃんが得意としていたのが今回振る舞ったフランス料理だ
「成長するにつれ誤飲での対処は難しいと判断され、食事には何も混入されなくなりましたが
俺は食事を食べられなくなりました。
だから18歳になったと同時に家を出ました」
食事を摂るのが怖かった
今も居場所を知られたら殺されるんじゃないか
そう思うと怖くて堪らない
だけどずっと逃げ続ける訳にもいかない
俺の目的は
「俺、家族に復讐するって決めてるんです」
あの家から全て奪い返してもらうことだ
その第一歩が家から逃げて外に出ることだった



