過つは彼の性、許すは我の心 壱



 突然ドスンと私の隣に座り直す渚君。ち、近い。

 仰け反ってソファーの縁まで下がるが、渚君も更に近寄って来る。


「渚君、どういうつもり?」


 ジト目で渚君を見上げる。


「いやこんだけ言うたら嫌にもなるかな思て」

「…ならないよ」


 今度こそ。

 呟きはしなかったけど、心の中で自分に念じるように言った。


「つづちゃん?」


 危ない、危ないまた意識がぶっ飛んでいた。

 首を傾げて見る渚君の顔を睨み上げる。

 こういうのはちゃんと言ってやんないと。


「渚君ね」

「ん?」

「渚君は本当にかっこいいから気を付けた方がいいよ」

「…」

「こんなに顔近づけられたら好きになっちゃう子沢山出来ちゃう」


 それこそクッキーのカスの様にポロポロ現れたら大変だし、


「わ、私も渚君のこと好きになっちゃうから」


 離れて欲しい…と最後は俯いてしまった。

 だって気さくで、明るくて、かっこよくて、頭も良くって、人を守るのにも躊躇いがないなんて、好きにならないはずないじゃん。

 絶対耳赤くなっているよ恥ずかしいぃと心中で大暴れしていれば、


「…く、はははははは!」


 な、何!?


 大きな笑い声に驚いて見上げる。


「つ、づちゃんって、はははは!」


 お腹を抱えて笑っている渚君がいて、仕舞いには目尻には涙まで浮かべている。


………ぐぬぬこいつ。