私は、
「聞いても、面白くない、よ」
鉛を吐き出すかのように声を出した。みっともなく足掻く。
でも、
「それは聞いてから私が決めるわ」
此方の心情なんてお構いなく、傲慢に要求する。
「はあー…」
溜息とともに臓腑に染みついたこの黒い感情もでちゃえばいいのに。
重苦しくも歩みを再開した。
「私さあ…幼馴染がいてね」
「うん」
「1人はお隣さん。生まれた時から一緒で、母親同士も仲が良くて、本当に何するのも一緒」
「うん」
「大きくなるにつれて野球大好きな幼馴染は、地元のクラブでも順調に成長してエース扱い。中学になったら勿論野球部に入って、そこでもエースになった。顔もカッコ良かったせいでもうモテモテ」
「うん」
「そんな相手が近くにいたら私もやっぱり好きになって初恋」
「うん」
「で、もう1人の幼馴染は、6歳ぐらいの時に引っ越してきたんだよね。隣の家に」
「うん」
「その子はよく妹と一緒に公園にいて、毎日毎日誰とも話さずにずっとベンチに座っていたの。だから不思議に思ったから私が声を掛けた」
そう、それが始まり。



