過つは彼の性、許すは我の心 壱




「ーーーじゃあ皆様は彼等の何なんですかね?」

 
 私のことだけなら大人の対応してやろうと思っていたのに。


「何って?」


 今まで言い返さなかった私に、るり様は不快そうな顔で聞き返す。


「私は貴方方の言う不良品?でしたっけ。不良品に聞き覚えがないので誰か・・は存じ上げませんが、その方に私は選ばれたんですよね?じゃあ貴方方は?」

「それは、」

「あれ?これだけのこと言っているから、フレアの 特定の誰か(・・・・・)から選ばれた方々達と思って聞いていたんですけど…」


 あれれえーなんて言わなかっただけ褒めて欲しい。

 
 要は、

 
「ああ…そっか。申し訳ありません聞いてしまって」


 アンタら誰にも選ばれてないって言っているんですよ。


「…っ貴方!」


 鼻で笑ってやろうと思ったけど下品すぎるから自粛した。

 るり様は折角綺麗に整えられた顔をグシャリとして、手を振り上げる。

 近くで聞いていたクラスメイトの息を飲む音と「きゃあ」「おい」という声がスロモーションに聞こえる。

 でも、これでいい。

 喧嘩なんて手を出した方が悪く見られる。

 これだけの人がいれば、幾ら相手の方が立場が上でも私が完全に悪いってことには出来ないだろう。


 衝撃に備えよと頬に来る衝撃を待ち構えた、


「おっと」


 が。


「な、なに!離しなさい!」