過つは彼の性、許すは我の心 壱


………人って余りにも理解できないことを言われると、怒りより呆れの方が勝つんだ。

 知らなかった感覚に今までの苛立ちは萎んでいき、逆に彼女達の理論に興味が出て来る。

 だってさも正論みたいに言われるとそれなりの根拠でもあるの?ってなって、


「あらあら、固まちゃって」

「ただでさえ愚鈍そうなのに、るり様に言われたことは直ぐやらないと」

「うふふ…」


 やっぱりご大層な根拠はなさそうだ、断言する。
  
 そもそもフレアってこういうの許す集団なのか…益々嫌になってくる。

 彼等の噂を聞いて良かった部分なんてない気がする。

 この手の行いを許すってことはフレアっいう集団の価値すら貶めているのに。

 何の為に部活(どんな活動しているのか知らないけど)が発足したかも分からない謎集団過ぎるフレア。


「どうしようもない子ね」

「言われたこともできないなんて…」


ーーーこの時の私は。


 言葉ではあーだこーだ言っていても、イライラしていたんだと思う。

 生徒会の仕事が佳境に入っているせいで休み時間も色々やりたいことがあるのに、何で馬鹿にされた上に恥上塗り行為を強要されないとならないか。


 いつもなら適当に流せるのに出来なかったのは、


「まあ不良品(・・・)に選ばれただけはあるわね」


 るり様の言い様にプッチンしたワケで。