「何にも知らないで彼等に近付くなんて…貴方ってお家は何処だったかしら?」
「るり様。彼女は何処の名家でもない一般家庭ですから、彼等のことすら知らなかったのでは?」
「まあ…!それは大変ね」
「今からでも間に合うから彼等に謝罪して、関わらないことを言ってみてはどうかしら」
「それはいいわね」
「きっと地面に擦り付けながら謝罪したら、器の大きい彼等なら許してくれるんじゃないのかしら」
「もし心配なら今練習されては?」
「私達が見てあげましょう。大丈夫今までも見たことあるから」
突っ込む暇もないとはこのこと。
話を聞いていたはずなのに、何故この場で私が土下座をする流れになるのか全く分からない。
ていうか前にもやらせたことあるのか。
「ほら、見せて?」
ダンスのお誘いのような軽さで聞いている癖に、お願いしていることは最悪そのもの。
魅力的な唇から放たれる言葉は甘い蜜ではない。
苦々しい、口に入れるとえずく様な毒。
教室にいるクラスメイト達もあまりの彼女達の物言いに唖然としていた。
「だまちゃってどうしたのかしら?」
「ふふ」
「笑っては可哀想よ、皆さん」
「…」
彼女達の嘲笑が静まり返った教室に響く。
黙っていると言うか、私も唖然に呆然。(意図せずラップ調になった)



