過つは彼の性、許すは我の心 壱


 予鈴が鳴る3分前だったのが、せめてもの救いだった。

 
 
「せ、戦略的撤退…」


 はあはあしながら、椅子に勢いよく座って机にべったりと顔をくっつける。

 もういいや今日授業。

 授業をまたもやブッチする予定だが、もう今日は勘弁してください本当にマジで。

 直ぐに4限目始まって一旦質問攻めの波が落ち着くが、お昼なんて入ったらどうなることやら。

 だから、心はクラッチングダッシュの構えで、号令した瞬間教室を飛び出した。

 そして。


「生徒会室まで逃げて来たと…先輩ーお疲れ様ー」

「うう惣倉君…」


 私の愚痴をぶちぶち聞いた上で、惣倉君はそっと目の前に、菓子パンとミルクティーのペットボトルが置いてくれた。


 ああ惣倉君。君って奴は。


「できる男だよ、君は…」

「よしよし頑張った頑張った」

「よしよしまで出来ちゃうのイケメン過ぎない?好きになっちゃう」

「好きになっていいですよ。そういえば、この間先輩から借りた年下×年上の少女漫画面白かったですよ」

「でしょ!」


 止まらない少女漫画トークに惣倉君は小気味良く笑って「先輩調子戻って来ました?」と微笑んだ。

 私の軽口に軽快に返すコミュニケーション能力の高さと、微笑むと少しだけ八重歯が見えて可愛い。

 生徒会において、私の一押しの可愛い後輩君。

 惣倉影刀つつくらえいと君。