「じゃあこの学園でかっこいいなとか思う人とかいないの?」
「…うーんかっこいいか」
質問攻めにあいながらうーんと首を傾げる。
うちの学園は由緒正しい将来金持ち有望な御子息御令嬢達が通っており、顔面偏差値の高い人も多くて有名だったりする。(因みに私は家柄、容姿平凡そのもの)
でも自分がかっこいいと思うかっていうのは、また別な話…。
色々顔を思い浮かべるがしっくり来る感じなのがない。
歩きながら黙考する私に、着物の少女はとある名前を出した。
「じゃあ、 天條獅帥は?」
「あー天條君か」
私でも知っているこの学園の有名人の1人。
天條獅帥。
天條家なんていう遡ろうと思えば平安時代まで家系が続くらしい、やんごとなきお家のお生まれで後継者。
容姿、能力どれを取ってもハイレベルな上に、家の事業の手伝いもやっていて、これで高校生とかげに恐ろしいスペックの持ち主らしい。
私としては“あの”部活の部長というイメージの方が強いけど、そもそも顔どんなんだったたっけ。
顔…顔…。
「…」
「…綴?」
「どんな」
「え?」
「どんな顔だったっけ」
「…」
「…」
「…ふ、ふっふっふ!はははっ!!」
穏やかな光景で1番浮いている着物少女にケタケタと笑われてしまった。
「だ、だって別に恋愛したくてここ来たわけじゃないし」
それは、本当。
一般の、私の様な庶民と言える学生の中には玉の輿、逆タマ狙いの人も沢山いるらしいけど、私の場合は祖父の強い勧めでここを選んだ、
選んだ、はず。
『ふふ…可哀想』



