過つは彼の性、許すは我の心 壱


 
「…」

「…」


 緊張に身体を強張らせている私を見て、天條君は。


「…はあ」


 大きく溜息を吐いて「いい、ほら行くぞ」と、私を置き去りにして歩いて行ってしまう。

 呆然と天條君の後ろ姿を見送、


「ちょっと、だから先に行くのやめてって!」


 見送っちゃ駄目でしょ!

 急転直下で雰囲気が変わる天條君に慌てて着いて行く。

 とっても大事なことを言われたことも忘れて。

 
『呼び出しだ』

『何の?』

『家から』

『ああそう…頑張って』


 天條君は『また明日』と言って、3限目終わった直後に帰ってしまった。

 よく考えれば天條君達が起こしたことで、周囲にいる人達が対策会議しているのなら本人がいなきゃ駄目だわな。

 天條君ゴーイングマイウェイ過ぎる。

 と、大変そうだなあと他人事していたら、


「唐堂ー!」

「はいっ」


 天條君がいなくなった途端、コレよ。

 クラスメイトの1人が叫んで近づいてきて、その勢いに声が引き攣る。

 連なるように、


「お前何しちゃってんの!?」

「何しちゃったんでしょうか私!」

「マジヤバ過ぎだよ!」

「この状況がヤバ過ぎで、はい!」

「何があったんだ、詳しくしてくれ!」

「私もこの状況を詳しくしてほしいぐらいで!」


 入れ食いってこう言うこと?って言うぐらい、私はクラスメイト達に質問攻めにされた。