過つは彼の性、許すは我の心 壱


 世間話程度に「今日火ノ宮君達に来てないね」と話しかけた。

 遠巻きに見つめていたクラスメイトの1人が言っていたけれど、清維、火ノ宮君、木野島君の席がぽっかりと空いていた。

 出席確認の時も家の都合での欠席だったし、まあこの学園で家の都合でのお休みは全然有り得る話。

 この学園は天條君しかり、家業を学生の頃から手伝っている人は多く、学園では申請さえすればそれでお休みできちゃう。

 じゃあ何処に引っ掛かっているのって話なんだけど、そんな一気にお休みになるかってところが引っ掛かっているんだけど、


「一族上げて対策会議だろうな」


 天條君はこともなげに答える。


「対策会議?」

「ミケが出るとこうなる」

「ミケって私のこと?」

「ああ」

「ねえミケって前から聞きたかったけど、何なの?」


 ピタリと天條君が止まった。

 まじまじと私の顔を見つめるその仕草に、何となく怖気付く。

 まるで、


「…」

「どうし、たの」


 実験動物を見る様な目に、背筋が凍る。

 目が傷ついていないか確認したり、クッキーを私にくれたり、先程暖かみのある行動をしていた同じ人間とは思えなかった。


 人間?あれ?

 
「い……え」

「…なんて?」


 自分の心臓の音がうるさくて聞こえない。

 言葉が頭に何も入って来ない。

 大事なことを言われたはずなのに。