「いや何でいるんだ…」
「しっ!聞こえるぞ」
「火ノ宮君達来てないし」
「あの噂本当だったんだ…」
教室が騒めいている。
ちゃんと教務室にも出向いて(此処で教員全員が立ち上がるハプニングに遭遇)時間通りに教室にも着いて(此処でもクラス全員が立ち上がるハプニングが起きて)遅刻しなかったことにホッと安心する場面だけど、終始ざわざわで落ち着かない。
「はい、お義兄さ…天條君」
「それわざとだろう」
原因は明確。
集められたノートを彼に渡し、私は教材を持つ。
「あ、あの唐堂さん」
「ん?」
「て、手伝おうか?」
チラリと私じゃなく天條君を見ていうんもんだから、ああと察する。
「いいよ、天條君にもやらせなきゃ」
「えほんとうに」
「ほら行こうお義兄さ…天條君」
「やっぱりわざとだろう」
私が歩き始めると文句を言いつつも、天條君が後を追ってくる。
教室から出れば、視線という視線が集中し過ぎて櫛刺しにされている気分だったが、何のその。
学校のパンフレットに起用どころか、どっかの映画のポスターに出てなかった?っていうハンサム男が、ノートの束を持って運んでいるのがかなり物珍しいらしく、廊下中の視線を頂いている。
ただ、1番衆目を集めている男はどこ吹く風。
慣れてんだろうなあと思いながら、小市民の私は出来るだけ視線を気にしない様歩くことに集中する。



