過つは彼の性、許すは我の心 壱


「妃帥にお前を任せると言われたしな」

「妃帥ちゃん…!」

「ほら、行くぞ」

「ああ、待って!」


 朝ご飯食べてないし!と言いかけて、


「んぐっ」

「朝食べる時間ないからそれで我慢しろ」


 天條君自らの手でクッキーを口に差し込まれて、もぐもぐさせてもらう。

 公衆の面前でやっているせいできゃーきゃー言われぱなっしなのはもう考えない様にして、このクッキー、


「美味しい…」


 丁度良いサクサク感に、甘さも控えめで非常に食べやすい。

 天條君が持ち歩いているぐらいだから、どっかのブランドのお菓子とかかな?と首を傾げれば、「折角作ったんだから、妃帥がお前にも食べさせろって」と天條君よりお言葉を拝聴。


 ま、まさか。


「ひ、妃帥ちゃんの手作り?」


 あの可愛さでクッキーまで美味しく作れちゃうの?と、新たな妃帥ちゃんの魅力に平伏しそうになったが。


「俺が作った」

「は?」


 私の間抜けな声には反応せず「日直だろ。これから教務室に寄ってからだと、本当にギリギリだ」と、先に歩いて行ってしまう天條君。


「いや、待って〜」


 色々聞きたいことががあるけど、お菓子作りまで出来てしまうイケメンお義兄様の後を取り敢えずダッシュで追いかけた。